どうも、勘助です。
私はこの日初めて知りました。おやじさんが「かあさん」と呼ぶのは、「母さん」だと思っていました。常連客もそう思っているでしょう。
でも、かあさんの名前が「花亜」だから、かあさんだったんだ。
20年以上もそばにいながら誤解していた自分が恥ずかしい。それにしてもこの「後藤」という初老の男は何者なのでしょう。
「はい、わたくしは麹町のご本宅に残り、花音さまご夫妻をお守りするよう、旦那さまから仰せつかりました。那須のご別邸には安住がお供することになっております。まだ若いながら、安住はよくできた男ですので。」
「安住が。懐かしいわね。私が最後に会ったのはもう15年も前になるかしら。お兄様が息子か孫のようにかわいがってらしたわ。そう、もう執事ができるほどになったのね。後藤がいれば、花音たちも安心だわ。」
どうやら、カノンさまというのは、かあさんの姪にあたるようです。私はシツジを知りません。ヒツジの親戚でしょうか。なにやら、いると安心なもののようです。それがこの男?かあさんが言っていることが分からず、私は不安です。
後藤という男が持ってきた花を、かあさんは店のあちこちに置いてみて、一番奥の小窓の脇、日が当たる一角に置きました。満足そうに大きな花籠を眺めるかあさんは、なんだかいつもと違う気品を漂わせています。
「それで、お嬢様。実は…」後藤という人がひそひそとかあさんに耳打ちします。「ええっ!」かあさんは飛び上がりました。「まぁ!なんてことでしょう!!」こんなに慌てたかあさんを見たことがありません。
コメント
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シツジでもツツジでも、大差ないと思います(笑)
ちなみに私はヒツジ年…。
そういえば、「おくさん」と呼ばれている若い女性を思い出しました。
名字が「奥」だったんですよ。
まだ独身だったのに〜。
おお、ツツジもあったか。
気付きませんでした。
私の知り合いにも「奥さん」がいました。
男性だったので、病院の受付が大嫌いと言っていました。
「おくさま〜おくさま〜」
彼女もいないのに…とボヤいていましたっけ。
意識してしまい、名前が呼びにくかったことを覚えています
飲食店などの順番待ちで名前を記入する時、
「おとの」と書こうと思いながら、つい忘れておりました
本名を呼ばれても、ちっともおもしろくありませぬ
「音野」さま、是非順番待ちでお試しください。
おもしろすぎます!
大学時代の先輩が実際にやったいたずら。
順番待ちの紙に「左馬」と書きました。
「サマサマ〜って呼ぶよ。」と先輩はウキウキヒソヒソ。
でも、アルバイトの女子高生らしい店員さんは
「ひだりうまサマ〜」