どうも、勘助です。
ここは「カピバラ食堂」。明日からこの名前です。先週までは「やじろべえ」でした。どうも飲み屋と間違われるというのが、改名の理由です。

「カピバラ食堂」に変えようと言い出したのはおやじさんです。「やじろべえ」では入ってこないような、子供連れやカップルもターゲットにしようじゃないかと言っています。どうして店の名前を変えると客が変わるんだろう?

この1週間、店を休んで内装を変えました。味わい深い木目の壁だったのに、いきなり巨大ネズミがユズ湯に入っている絵に変わったのです。冬は確かにいいけれど、夏場は暑苦しいだろうに。おやじさんは気付いていません。

かあさんは本当に優しく美しい人です。おやじさんと結婚してもう20年はたったでしょうか。体が丈夫で、めったに風邪もひきません。肌が白くてゆでたまごのようです。このかあさんがグリズリーみたいなおやじさんのどこに惚れたのか謎です。

かあさんはいつも、おやじさんの思いつきを小さな子供のいたずらを見守るような温かさで受け入れます。今度もそうです。「あら、かわいらしい名前!」かあさんの一言でおやじさんの行動力は倍増します。いつものことです。

照明も和風から、キラキラ光るシャンデリアに変わりました。私は、私の身の上が心配になりました。捨てられるに違いないと思われました。向かいのお美代や上の半兵衛も同じことを考えたに違いありません。

しかし、事なきを得ました。おやじさんの予算は、われわれを総入れ替えする前に尽きたのです。かくして、ファニーなのれんをくぐって引き戸を開けると、巨大ネズミの壁にシャンデリア、純和風の机椅子という奇妙な食堂が誕生したのです。







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