母の乳を飲んでお腹を壊したという私は、生まれつき極めつけの虚弱体質。

逆子で、予定よりも30日ほど早く生まれた。

逆子体操だとかお産婆さんのマッサージとかで、何度戻しても、すぐにまた逆さになったらしい。

首にへその緒が巻きついていて、健常で生まれるとは思えない状態だったし、実際、生まれてもしばらくは泣かなかったそうだ。

出生の時の壮絶な話は、前にも書いたことがある。

祖父母も父も、母でさえ、私を殺して母を生かす道を選んだ。医者も賛成した。

ただ、お産婆さんのみが「この子は絶対に死なせない」と、必死で取り上げたそうだ。

お産婆さんに感謝しなさいと繰り返し話す母を、私がどんな気持ちで見ていたかは想像してほしい。



初夢を見た。

母の胎内にいるらしい私は、こんなところには絶対に生まれたくないと絶望的な気持ちになっていた。

なぜかは分からない。

とにかく、生まれてなるものかと思った。

出ていかないためには、足を踏ん張るのがいいだろう。

ぐるりと、逆さになってみた。

誰かが押してきて、元の姿勢に戻される。

余計なことしないでよ!

何度戻されても逆立ちして、足を踏ん張る準備をした。

でも、それだけでは足りない気がした。

手を伸ばしたらヒモがあった。

それをぐるぐると首に巻きつけてみた。

これなら外には出られまい。

それが、何かの拍子に、思いがけず引きずり出されてしまった。

茫然自失。

いったい、何が起きたんだ?

笑顔満面のおばあさんが見える。

このクソババア!余計なことしやがって

と、おばあさんが観音様に変化(へんげ)する。

「いっておいで。」

バカヤロ〜

悔しくて悔しくて泣けてきた。



そこで目が覚めた。

なるほど、そういうことだったのか。

納得。



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今、岩波文庫の『西遊記』第3巻を読んでいます。
かなり面白いです。

それから、子供には、嘘でもいいから「あなたの命が何より一番大切だった」と話してください。お願いします。