Win-Win

あなたも幸せ。私も幸せ。

2013年05月


思い出した、思い出した!
「薄い話」を書こうと思った元々の出来事。 

朝目覚めると、なんとなく喉が痛くて、唇が乾燥していた。
今、職場でウイルス性の肺炎が流行している。
私の身近にも発症者がいたので、もしかしたらもらってしまったのかもしれないと思った。
目の周りがぼんやりと生温かい。
発熱前の兆候でもある。
全身がいつもよりだるい。ついでに、筋肉もピリピリする。

とはいえ、熱があるわけでもなかったので、いつもどおり出勤した。
家を出る時にふと、今日は水筒を持っていこうかな?と思ったのだが、電車の時間が迫っている。まぁ、いいか。

ところが、電車を降りてバスに乗り換える頃になると、本気で喉が渇いてきた。一日中こんなことでは、本当に風邪を発症してしまいそうだ。何か買おう。

このルートでの出勤では、自宅の最寄り駅を過ぎてしまうと、コンビニひとつ出てこない。が、「ALL100円!」と書いた、懐に優しい自動販売機が2つもある。キレートレモンも100円だ。たまにここでキレートレモンを買ってビタミンCを補給していた。が、その朝は、もっと水分の分量がほしくなり、水を買うことにした。

右の自動販売機の水は「富士山のバナジウム天然水」だ。
左は「○○○○○天然水」。
バナジウムはミネラルの一種で、血糖値を下げる効果が確認されているそうだ。つまり、太りにくくなるし万病予防に効くわけだ。すごいすごい。

しかし、どうにも買う気にならない。
なぜなら、我が家ではくまさんが山登りのついでにこの「富士山のバナジウム天然水」を汲んでくるので、日常的に飲んでいるからだ。お金を出して買う対象ではない。

ということで、○○○○○天然水にした。

ガタンと取り出し口に転がり出てきたペットボトルを取り出す。
キュンと冷えている。
すぐに飲みたくなった。
丁度信号待ちだ。
手にしていたカバンを肩にかけ、キャップを開けようとした。

……開かない。
ペットボトルがとても薄くて、クネッと動くのだ。
動かないように握りしめると、キャップが開いたとたんに水が飛び出しそうな気がする。
むむ。むむむ。
クネクネと動くペットボトルを何度も握り変えつつ、ようやくキャップを開けた。

紙コップやブリックパック、このペットボトルなど、柔らかいものを握る力加減というのは、実はとても高度な体の動きなのだ。だからブリックパックには「真ん中を持つと中身が飛び出すことがあるので、角をもってストローをさしてください」という趣旨の注意書きがしてある。このペットボトルには、そのような「安全ポイント」がない。きっと子どもやお年寄り、体の調整が難しい障がいのある方などを購買対象に考えていないのだろう。開けられない人は水筒をどうぞ、ということだろうか。 

このペットボトルが特別なのではなく、ゴミの減量のため、薄いペットボトルが増えているのはご存知の通りだ。
ペットボトルも薄いが、人情薄い話だ。
そう思ったら、この出来事をぜひブログに書こうと思ったのだった。 


ちなみに、もう10年以上、毎日バナジウム天然水を飲んでいる我が家の住人2名は、どちらも腹が薄くなるどころか、日々厚みを増している。






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太ってスーツが着れなくなった話を書いた時に、高校からほとんど体型が変わらなかったと書いたが、数年前に激やせしたことがあったのを思い出した。

何ということもなく、スルスルと体重が減った。
気付いたら、3ヶ月で8キロ減っていた。
最初は体がどんどん軽くなって、身動きが楽で、ウホウホしていた。
けれども、しばらくするとフラフラするようになった。
その頃はこの丸々したウエストがペタンコになって、持っていた服が着れなくなった。
2サイズダウン。 
その頃も、特別にスーツででかけねばならず、何着か新調した。

蕁麻疹も激しく出るので、病院でアレルギー検査を受けたところ、「アレルギーより大変な病気を見つけました。あなたの貧血は交通事故で大量出血して、今すぐ輸血が必要な人ほどにひどいことになっています。普通なら立てないほどだけど、あなたの体は貧血に慣れていて、自分が死にそうなことに気付いていないのですよ。本来なら入院ですが、その仕事では無理って言うでしょう?」
重度の貧血を患っていることに気付いていなかったのだ。

それから毎日鉄剤注射を受けてから出勤した。
1か月で数値は戻るだろうと言われたけれど、実際は3ヶ月かかった。
その間、自分の腹の薄さは不気味なほどで、今思い出してもゾッとする。

しかし、時間はかかったが、無事治癒したのに合わせて、体重も元に戻った。
痩せている間に新調したスーツは、ちょっとキツくなった。
今、ホックが右と左に分かれてそっぽ向いているスカートやパンツは、その時に買われたものだ。


薄いと言えば、先日びっくりするほど薄いトイレットペーパーに出会った。
某有料道路のパーキングエリアでトイレに行った時だ。
あまりに薄くて、ホルダーから引き出そうとしても千切れてしまう。
道理で、足元には細かく千切れたトイレットペーパーが無数に落ちている。
困った。そのままでは、あってなきようなトイレットペーパー。
しかし、使いたいのだ。
申し訳ないが、ホルダーから取り出して、そっと引っ張ってみた。
向こうの風景が透けて見えそうな薄さだった。
こんなに薄いトイレットペーパーが作れるなんて、日本の技術力は大したもんだと思った。
大したものではあるが、使えなければ意味がない。


そうそう。薄いと言えば、もう一つあった。

あれ?
何を書こうと思っていたんだっけ??
絶対にあったのだ。これは面白い!という出来事が。
しかし、まったく思い出せない。
記憶の跡をたどっても、まったく尻尾がつかめない。

最近多いのだ、この記憶が薄れて行く現象…






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石割桜


4月27日、早朝から新幹線で盛岡に行った。
秋田の父が入院することになったので、お見舞いに行きたかったのだ。
しかし、新幹線の予約が遅くなってしまい、早朝しか取れなかった。
朝食を駅弁にして、本を開くまでもなくうつらうつらしているうちに、11時前には盛岡に到着した。

そのまますぐにバスに乗り換えるのかと思っていたら、くまさんが「盛岡を歩いてから行きましょう。」と言う。
秋田の家には17時ごろに帰ると連絡してあることを、この時聞かされた。ずいぶん間がある。

駅のコインロッカーに大きなカバンを預けて、散策することにした。
「石割桜が満開だそうだから、見に行こう。」
イシワリザクラという言葉を初めて聞いた。
ソメイヨシノやヤマザクラと同じような、桜の種類だと思っていた。

盛岡駅を出てしばらく歩くと、盛岡地方裁判所の庭に人だかりがしている。見れば満開の桜。それが、イシワリザクラだった。

驚いた。
本当に巨石が割れている。その割れ目から、溢れるように桜の木が伸びて巨木になっているのだ。四方に伸び伸びと枝を張り、たわわに花が咲いている。ソメイヨシノより小ぶりで色濃い花だと思ったら、エドヒガンザクラという種類のようだ。

国の天然記念物になっていることも、この時知った。
そりゃそうだろう。巨石の割れ目から育った桜は360年も咲き続けているのだ。偉すぎる。

最初、私は、この桜が岩を割ったのかと思い、度肝を抜かれた。しかし、そういうことではなかったようだ。

岩は、元々割れて、隙間が開いていたのだろう。
そこへ、何かの拍子に桜が根付いた。
桜も小さなうちは、自分の環境が特異だと気付かなかったに違いない。
でも、成長するにつれ、何かおかしくないか?これはちょっと窮屈だと気付く。
よくあることだ。人間だと、このあたりに人生の分かれ道がある。

「なんでこんなに狭いんだ。両脇から押されて太れないのでは背も伸びないし、気分が悪い。自分はなんて不幸なんだろう。」
もしも、この桜がそんなふうに考えてめげてしまい、成長を止めてしまったら、今日こうして花咲くことはなかった。多くの人が遠くから足を運び、愛でて嘆声をあげるようなこともなかったのだ。

しかし、石割桜は違った。
きっと、この桜はこう思ったのだ。
「窮屈だけど、ま、いっか。」
環境は、この桜の不幸の原因にならなかった。
伸びられる方向へ伸び、咲きたいから咲き続けた。
桜としてできることを、飽かず毎年繰り返したに過ぎない。
私はその、潔さ、強さに魅かれる。


先日、スーツででかけなければならない日が続いたことがあった。
毎日同じスーツでは見た目が悪いと、一昨年愛用していたスーツたちを改めて出してきた。実は、何着もある。これが、すっかり太ってしまって、ジャケットは着られるものの、ボトムが入らなくなってしまったのだ。高校からほとんど体型に変化がなかった私としては、これは一大事だ。

ホックの右と左が7センチほども離れて、絶対に握手しないぞとそっぽを向いているスカートやパンツは諦めた。そもそも、お尻が入らないタイトスカートなんか、捨ててやろうかという気になってくる。

その中で、黒のチューリップ型のスカートは、なんとか入り、ホックもしまった。
そばにいたくまさんに言った。
「窮屈だけど、ま、いっか。」
くまさんは、声を荒げて答えた。
「いくないですよ。なんですかそれ。パツンパツンですよ。お腹がスカートを破りそうです。お尻裂けたら恥ずかしいです。そんなカッコで外に出ないでください。」

人は、潔さだけでは生きて行けないらしい。






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3日間も休んだというのに、まだ一日休日が残っている。
なんて幸せなんだろ〜。
一日を、好きなようにコーディネートできるというのは、それだけでワクワクする。

4日は朝から葉山へ散髪にでかけた。
くまさんが一緒だ。
といっても、くまはオシャレなサロンで髪を切るわけではない。
鎌倉の山を走るのだ。
途中で下ろしてバイバイ!
3時間後、走り終えたところまで迎えに行く。
その間、私はきれいになるという計画だ。

私の担当美容師さんは、以前は大きなチェーン店の店長をしていた女性で、そのチェーンの店長を指導する店長だった。結婚して独立。ご主人もそのチェーン店の店長だったので、会社は2人の稼ぎ頭を失った。その間のいきさつは、彼女から聞くたびに胸が痛む。

ご主人をオーナーに、彼女をマネージャーとしてオーガニックサロンを開店。私が予約をとっていくと、マネージャーはどんなに忙しくても私を担当してくれる。

ところが、仕事以外にいろいろなことが起き、彼女は休養宣言してサロンワークに出なくなってしまった。当然、10年以上マネージャーの客である私は、オーナーが引き継ぐことになったわけだが…

どうも、オーナーのカットは素敵過ぎて私に合わない。オーナーには独自の美意識があり、「あなたはこうすべきですね。」と提案してくれる。これが、受け入れる度量の広い髪をした、美意識の高い人であればものすごくありがたい提案になるのだろう。しかし、私はちょっと違う。「相談」したいのだ。

どうしよう、私の意見は受け入れてもらえないな、もともと遠いし、マネージャーが復活するまで他の店にしようかと思い、実際に家の近所で一度切ってもらったこともある。

最悪だった。

それよりはオーナーか…マネージャーに旦那さんの悪口メールを臆面もなく送り、不満をもらすと、どうやら同じことでマネージャーも悩んでいることがわかった。しょうがない、奥様が悩んでいるんじゃ、客が悩むのも当然だ。

たまたま、オーナーが忙しく、店の若手が担当してくれた日があった。前の日からマネージャーにプレッシャーをかけまくられたそうだ。髪質が、ややこしいのだ。オーナーもマネージャーも、口をそろえて「この髪は経験を積まないと切れません」と言う。どこに行っても言われるから、きっと美容師泣かせの反抗心旺盛な髪なのだろう。

涼しい店内で、若者は額からタラタラ汗を流してカウンセリングをし、髪色を決め、髪形を決め、何度も確認しながら、実際に私に手で触って確認するようにまで言って仕上げた。この過程がものすごく楽しく、気持ちよかったのだ!

以来、今までずっと、若者に担当してもらっている。回を重ねるごとに、初回のように何もかも相談と言うわけではないが、それでも細かいところは相談して確認して…を続けてくれている。だから、今回だけのわがままとか、気まぐれとかをふと話して、いいですね!となると、実現する。おかげで、5月らしい、襟元が涼やかなスタイルに変身させてもらった。

そのサロンが、さらにゴージャスに生まれ変わって移転することになった。
若者は、そのまま今の店を任されて居残りになると聞いていたが、今の店をたたんで、全員で新店舗へ行くことが前日決まったそうだ。

「よかったね。キラキラのお店で腕を振るえるね。」
「はい。。。」
どうも、若者の返事が冴えない。
「私ね、ふたつに分かれてあなたがここに残るなら、こっちに来ようと思っていたの。」
「本当ですか!」
これは本当だ。マネージャーは大好きだから会いたいが、セレブ仕様のゴージャスな南欧風サロンなんて緊張してしまいそうだ。それに、若者のこの丁寧な客あしらいが本当に気に入っているのだ。

「実は、○○さんとご主人が、独立開業しまして。」
若者には珍しく、唐突に話題が変わった。○○さんは、マネージャーの前に長く私の髪を切ってくれていた人で、彼女が店長になって異動したので、今のマネージャー…その店の店長だった人…が引き継いでくれたのが今のご縁につながっている。

「会社も大変だね。オーナーとマネージャーが独立する時も、やめさせまいと大変だったじゃない。それに、あなたでしょう?今度はあの二人。店の稼ぎ頭を5人も失って、大丈夫なの?」
「いや、危ないんじゃないですかね?」
本当にそんな気がする。

「美容師にとって独立は…自分の店を持つというのは、特に男性美容師にとっては絶対の夢ですから。」
話がここに至って、どうして若者が唐突にこの話をし始めたのか、ようやくわかった。

彼は自分に任されるはずの店を失ったのだ。
一緒に移転すれば、新しい場所で、新しいテクニックで、日本唯一のサロンになることが約束されているのだが、彼はそれ以上に、自分の店を任されたかったのだろう。

「あなたもいずれ独立するんでしょうから、その時はオーナーよりもしっかりと、いい店を作れるように、今から腕を磨いて人脈作っておくのがよさそうね。このお店に来て、ほんとよかったね。」
何も気付かなかったふりをして、そんなことを言うと、若者はハッとしたように言った。

「そうですね。なんだかものすごく時間がたった気がしていたけど、まだ6年しか美容師してません。まだまだ、これからですね!がんばります!!」

つかむんだぞ、男の夢!






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GW前半は秋田に帰省したため、後半は家でしたいことをしようと思っている。
3日は神田の三省堂にでかけた。
今後仕事で使う情報がほしかったのだ。
ネット注文ができない本なので、置いてある書店に足を運ぶしかない。 
三省堂まで行けば、すべてそろっている。

やはり家にいたくまさんに、一緒に行くか?と尋ねたら、じゃスキー道具を見に行こうかと言う。

それならと、神田界隈で美味しいランチがある店を探そうと思った。

我が家は、神田でランチといえば、へぎそばの『こんごう庵』に行くことが多い。 へぎそばは新潟魚沼地方の蕎麦で、つなぎに「ふのり」という海藻を使うため、ほんのり緑色をしているのが特徴だ。長方形の大きなざるに盛り付けるのも面白い。新潟へスキーに行くと、好んで食べる。それが神田で食べられるのだ。こんごう庵は、かつ丼定食がオススメだ。カツが、とんかつ屋のカツとはちょっと違う。小さなへぎそばも付いてくる。百点満点だ!

新たな店の開拓もいいかと、食べログを見てみると、くじらを食べさせる、評判のよい店があることに気付いた。

くまは何故かくじら好きだ。時折さしみだのベーコンだのを買ってきて食べている。私はどうも美味しいと思ったことがないので箸を出さない。小学生の時、くじらの竜田揚げというのが給食に出てきた。黒くて硬くて、あまり好きではなかった記憶がある。

就職してから一度、お兄様方に連れられて、渋谷のくじら屋を訪れたことがある。店内は超満員でにぎやかだった。でも、日本酒は美味しかったがくじらの記憶がない。 あれは今もある『元祖くじら屋』だったのだろうか?

私が忘れ物をしたりして、すっかり出遅れてしまい、本より先にクジラを食べようということになった。くまさんは大好物の店とあって、いつもより機嫌がよい。

訪れた店は、ビルの地下1階にあった。おやじさんがひとりで切りまわしている。店内にはすでに2組が席についており、私たちはカウンターの隅に腰かけた。

丁度12時をまわったところだったので、私たちの後からも、客がひっきりなしに入ってくる。実に盛況だ。が、まだ調理を始めていなかったようだ。何か飲まないか、つまみはいらないかと尋ねられる。
「そしたら作っている間をつなげるからね。酒でも焼酎でも何でもいいよ。」
相談の結果、「栗駒山」という日本酒を1合頼んでみた。
つまみは…くじらの刺身定食頼んじゃったし、まあいいかと話していたら「空酒じゃぁなぁ!」と、ふき味噌を出してくださった。なんとお手製だそうだ。これが、甘く仕上がっていて、実に美味しい。

しばらく待って、日本酒がなくなった頃、クジラの定食が届いた。
「はい、これ、ステーキね。こっちは竜田揚げ!」
「いやいや、お父さん。私たちは刺身の三種盛りとステーキよ。」
「あれ?竜田揚げじゃなかったっけ?」
いえいえ、給食でなつかしい竜田揚げにしようかと相談する私たちをとめて、ステーキにしなさい、絶対ステーキの方がおいしいからとおっしゃったのはお父さんでしょうが。

慌てて奥に確認に行くと、やはり注文票には三種盛り、ステーキと書いてあったようで、すぐに三種盛りもやってきた。

この、くじらのステーキは絶品だった。
あまりの空腹と軽く酔っていたので、写真を撮る前に食べ始めてしまった。
というより、写真を撮るほどの期待を持っていなかったと言ってよい。
それがどうだ!へたな牛肉よりよほど美味しい。

「うわぁぁぁ!美味しい!!」
騒ぐ私をカウンターの向こうから満足げに見ているお父さんが自慢げな笑顔をしている。

ステーキから出てきた肉汁をご飯にかけて雑炊のようにして食べた。これまた絶品だ。

刺身の三種盛りも美味しかったが、私はやはり生は苦手なようだ。
ステーキ、これに尽きる。

「竜田揚げが余っちゃったから、あげるね。はい、野菜もね。」
お父さんは間違えて作ってしまった竜田揚げを夫婦連れで来ていた私たちと、もうひと組とに半分ずつ分けてくれた。ふき味噌といい、サービス満点だ。そんな商売をしていたら儲からないこと甚だしいだろうに。

「本当はね、山菜が好きなの。故郷の仙台とか福島とか秋田とか、自分で摘みに行くんだよ。くじらは二の次だ。」
だそうだ。この日の小鉢についてたわさびの漬けたのはとても美味しかった。
白いご飯だけおかわりしたいくらいだった。

神田の古本屋街からは少し歩くけれど、散歩程度の距離。
お近くにいらした際にはぜひお試しいただきたい。

バナー
東京都千代田区内神田2丁目7-6 ゆまにビルB1F
昼 11:30〜14:00
夜 17:00〜23:00
日曜日定休(ただし予約すれば営業も)
http://kujiraichinotani.web.fc2.com/index.html



ちなみに、「あの懐かしい味 くじらの竜田揚げ」とメニューには書いてあったが、あんなに美味しいくじらの竜田揚げを食べたのは人生で初めてで、懐かしい味ではなかった。

くじら、ちょっと好きになっちゃったかも。






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ゴールデンウィークだ。
仕事が休みになる。
不慣れな長い通勤がないというのに、朝4時半に目が覚める。
律義な私。

新しい職場になじむには、もっと苦労するだろうと思っていた。
けれども、実はそれほど苦労していない。
通勤が長いのも、実はそれほど苦痛でなくなっている。
私、こんなに適応力があったのね。

ある日の帰り道、電車に揺られながらぼんやりしていて、ふと思ったことがある。

朝すっきり自分から目覚めて、わき目もふらず支度をし、しっかり朝食を食べて家を飛び出す。電車の中では読書に没頭し、バスではぼんやりと風景を楽しみ、仕事中は無我夢中で時が過ぎる。帰り道は新しいルートを探検しながらワクワクし、帰宅するとお腹がグーグー鳴るほど空いているから、晩ご飯がたまらなく美味しい。体はすっかり疲れていて、お風呂のお湯にふわぁ〜っと緊張が溶け出すのがうれしい。布団に入る幸せを噛みしめながら瞬時に眠りに落ちる。

こんなにも、全身全霊で生きる毎日を送れるって、

実はとても幸せなことだな。

そう思った瞬間から、私の毎日は劇的に変化した。
出来事が変わったのではない。
出来事の意味が変わったのだ!


仕事ばかりの毎日なんて、生きる楽しみがないじゃないかと言う人がいる。その人にとっては、きっとそれが正解なんだろう。でも、その人の正解が今の私にも正解だとは限らない。

自分の時間がないなんて不幸だと言う人がいる。その人にとっては、きっとそれが正解なんだろう。でも、 その人の正解も、今の私にとっての正解とは限らない。

今の私にとっては、今のこの毎日が幸せなんだと思ったら、毎日の出来事が「幸せの証明」になった。

最近、そんなふうに思うのですよと知人に話したら、こう言われた。
「そんなふうに忙しさを正当化して目を逸らしていると過労死してしまいますよ。僕はあなたの職場には、悪いけど絶対異動したくないし、あなたをお気の毒だと思っています。だって、大変すぎますよ。」

その人には、それが正解なのだ。
「気の毒なんて言わないでください。」と言ったって、その人は現実に気の毒だと思っているのだから、しょうがないのだ。
「なるほど、そう思われるのですね。」
笑顔で聞いていた。

その人の正解は、今の私の選択に何も影響を与えない。
だって、そういう考え方もあるよね、聞いたとおりに〜と思うけど、私は私の正解を自分で自由に選ぶことができると知ってしまったのだから!

私には自由時間がない、趣味の時間や体力が残っていない、こんなのいやだ、でもどうしようもない、だって忙しいし、通勤時間は伸びたし…と不満と不安いっぱいでおどおどと長生きするのと、 あ〜幸せだ、あ〜今日も楽しかったと思いながらポックリ逝ってしまうのと、私にとってどちらが幸せかと言ったら…えへへ。

できれば、あ〜楽しいと長生きする方がいいですけどね。
短ければ、それはそれで、ま、いっか。






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早起きに頑張らない朝をゆっくりと過ごし、ミュシャ展にでかけた。
あれだけ「オシャレな周囲の人々」にビビっていた割には、自分のスタイルを貫くくまさん。
変なヤツだ。

六本木についてみると、平日の午前中など、歩いているのはテレビ局関連か?と思われる人と、観光客ばかり。この雰囲気の中ではくまさんのラフな格好も大して浮かない。
よかった〜。
安心が顔に書いてあるぞ。

みどりの窓口で購入した、新幹線チケットと同じ紙に印字された入場券を提示する。
あの、あこがれの、絵付きのチケットが手に入る瞬間だ!
行列するのはくまに任せて、私は脇で待っている。
ワクワクワクワク

ミュシャ展当日券ほ。
きたきた〜!
え?

確かに、絵はついてる。
しかし、これって六本木ヒルズの絵じゃないの??

こうして私の愚かな目論見は、儚く潰えたのであった



ミュシャの作品は本当に美しい。
くまさんは、好きだと言うだけあって、一点一点丹念に見ている。

商業的に価値ある絵、華麗優美な絵を描き尽くした結果、もっと人の根本に役立ちたいと思ったそうだ。
なんだか、その辺は分かる気がする。
フリーメイソンに加入していたとは知らなかった。
構図が、モデルが少しずつ変わっていく。
筆致が少しずつ変わっていく。
その変化を見てとれる展示がおもしろい。

ま、言葉では伝えにくいことなので、お近くの方は足を運んでみてほしい。
一見の価値ある展覧会だ。

ミュージアムショップで、パンフレットにもなっている絵のクリアファイルを購入したくて覗きに行ってみた。
混んでいるのなんの…!
ほしいものは手に入れたけど、くまさんは壁にはりついて近寄っても来なかった。

あれから1か月。
ミュシャのクリアファイルは毎日通勤かばんの中で微笑んでいる。






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