Win-Win

あなたも幸せ。私も幸せ。

2012年06月


休日出勤してきた。
平日のリーズナブルな時間内に終わらせられる仕事量ではないのだ。相変わらず4人分働いている。自他共に認めるハードワークだ。

静かな職場に点々と出勤している人たちは、来たり帰ったりしていく。通常の1時間遅れできて、昼ごはん抜きで働いているのは私だけだ。昼を抜いたのは胃腸を休めたかったから。デトックスのため、ときどきこんな日を作る。

敬愛する管理職も休日出勤だ。彼女も終わらないほどの仕事を抱えている。でも、お話しするチャンス!!いろいろ聞いて、話して、ストレスがちょっと減った気がする。しかも、誉められて、励まされて、ご褒美貰って、なんだか嬉しい。

本当なら、ナナやほかのメンバーと相談して進めなくてはいけない仕事がある。けど、相談する気に、もうならないのだ。時間がかかるのに質が落ちる。耐えがたい。迷ったけれど、最低限を分担して、仕上げは一人ですることにした。ひとりですると決めたら、気がかりな人がいない時がいい。

思う存分集中して、自分のペースで進める気楽さ、楽しさは言葉に尽くせない。調べたくなったらとことん調べる。待たせているなどと気にしなくていい。なるほど!と思ったら、理解されるかどうかを気にせずに、すぐに反映させる。また完成度が上がる。

自分は、本当は、仕事が大好きなんだよなと思う。本を読んだり、ドラマを見たり、温泉に入るのと同じか、もしかしたらそれ以上に大好きなんだ。それがちっとも楽しくなくなったのは、人のペースで妥協しながらしているからだと気付いた。

低温・低湿度の風。青空。太陽。大好きな条件がそろった土曜日。おでかけしてハイキングしても楽しかったろう。でも、今日はこれで最高。仕事帰りに思った。
人間、どん底に落ちると、それまで見えなかった自分が見えるものなのかもしれない。





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とにかく、忙しい。ま、実力がないのだろう。いたしかたない。実力がある人はいいなぁ。ついつい、羨ましくなる。
たとえば、サッカー日本代表の選手たち。

ちびっ子から大人まで、サッカープレイヤーは数多い。その中で、日本を代表する選手になるというのはすごいことだ。しかも、ドキュメンタリーなどで見ると、必ずしも天才肌ばかりではないことが、なおさら尊敬の念を深くする。

一途にコツコツ練習したのだろうな。辛い日も逃げなかったんだろうな。悔し涙に暮れても、また立ち上がったんだろうなと思うにつけ、わが身を振り返る。文句ばかり言っていて、全然美しくないなぁ。これでは残念だ。

折しもワールドカップの予選。サッカー日本代表といえばサムライブルーだが、私がヒトメボレしたのは練習着だった。プラクティスと呼ばれる一連の濃いオレンジのユニフォームだ。なんてかっこいいのだろう。

調べてみると市販もされている。香川選手が仙台に行ったときに着ていた3/4パンツと長袖の組み合わせなんか感動的にイケている。これを着たら、私も辛抱強く謙虚に努力する人になれるかも。あやかりたい、あやかりたい。

ところが、サイズがない。最近ストレス太りが止まらない丸っ腹に合うサイズはどこも売り切れだ。あるのはたった1店、着なさそうなパンツまでセット販売だ。高いなぁ。いくらなんでも高い。でも…。3週間迷った。

迷いに迷って欲望が勝ち、とうとう意を決して注文した。ドキドキドキドキ。
翌日、ショップからメールが届いた。「ごめんなさい、売り切れでした。画面に反映してませんでした。ご注文はキャンセルしておきます。」
何だったのだ、この3週間





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かわいい!
このマンションに越してきたとき、連れてきたのは1鉢に寄せ植えしたサボテンと、シャコバサボテン2鉢、小さなスイセンのプランターだけだった。手間をかけないし、うまくも咲かせられない。緑の指ではないのだ。

帰宅道を歩いている時、ふと目にとまった花があった。可憐ですがすがしい印象のその花が球根から咲かせられることを家に着く前のガーデンショップで知った。小さな球根をコロコロと10個ほど衝動買いして植えてから3度目の夏を迎えたわけだ。

最初の年は植えたのが遅かったらしく、葉は出たものの何も咲かなかった。思い出した時に水をやるだけの日々。2年目はそれでも2つ花をつけた。けれど、最初に見かけた時の1/3くらいの小さな花だった。それでも、やはり可憐ですがすがしかった。

人は、年を重ねるごとに思いを深めるものらしい。慈しむとは思うだけではだめなのだと分かることがあって、それを鉢にも適用することにした。何のことはない、液体肥料を買ってきて、週末、水に混ぜるようにしただけだ。

強風、乾燥、炎天下。劣悪な条件下でたまに肥料をもらったとて、いかほどのことがあろうと思ったけれど、今年はついに6つも花を咲かせた。もしかしたらこの先も咲くのかもしれない。相変わらず小さいけれど、色鮮やかですがすがしいのは変わらない。

文句も言わず、今いる場所で花を咲かせるその姿に、なんとも言えない感慨を覚える。もっと適した場所で育つなら、もっと大きな花を咲かせるのだろう。でも、ここならここで精一杯咲く。見習った方が幸せな人生になりそうだ。

でも、ふと、思う。文句を言っていないのではなくて、文句を聞きとる耳を、私が持っていないだけなんじゃないだろうか。名前ぐらい呼んでよとか。ねえ、そうなの?
花は頷くように揺れただけ。






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確か、赤だったような気がする。
小学校何年生だったのだろう。私はその長靴が大好きだった。
ズックなら避けなくてはならない水たまりも歩けるから。

雨が降るのが楽しみだった。ある雨の朝、その長靴をはいて登校した。でも、帰りには雨が完全に上がっていた。クラスの男の子に、何やらからかわれた。
以来、長靴があまり好きではなくなった。帰りには危険な履物だ。

中学だろうか。きっと台風だったと思う。すでに自分の長靴をもっていなかった私はやむを得ず母の長靴を借りた。その長靴は、サイズはピッタリで快適だったのだが、男子にからかわれた。「給食のおばさん長靴!」白い長靴だった。

以来、長靴をはいたことがない。
あんなに好きだったのに。
自分の「好き」よりも、人の目を気にする子供だったんだな。

近年の「ゲリラ豪雨」にたびたび泣かされてから、また長靴が欲しくなった。ブーツのようなおしゃれな長靴がたくさん登場して、子供の頃の痛手を思い出さずに済みそうだ。いや、今ならホントは給食のおばさん長靴でも平気になった。

でも、どうせならオシャレなのが欲しいじゃないか。昨年は、あれこれ物色しているうちに雨の季節が過ぎてしまった。今年は台風4号で濡れネズミになった経験から、もう先延ばしできないと思った。そこで、とうとう決断したのだ!

ゼブラ長靴ゼブラ長靴ハイカットスニーカー風。長すぎないから暑くない。短すぎないから雨が入らない。へへっ。やったぜ。台風後の大雨。チャンスじゃないか。デニムの裾をまくりあげ、ゼブラ全開ででかけよう。ホホホッ。

水たまりも平気。かかとのはね上げも気にならない。フフフッ。いい買い物したなぁ。



ズボッ。
電車を降りた時、何か濡れた棒のようなものがゼブラのアキレス腱沿いに入ってきた。何だ?ふり向くと、小学生が傘の先をを突っ込んでしまったのだった。真っ赤な顔をした小学生は、傘を必死に抜き取ると、謝りもせず弾丸のように走り去って行った。






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「あのぉ、お声掛けしてよろしいでしょうか?」
なんて美しい日本語だろう。管理職の机の前に並んだパソコンで仕事をしていた私は、耳が吸い寄せられるようにその言葉をつかまえた。

「ああ、いいですね。その言い方も、声も、そういう言葉かけの必要を知っていることも、とてもいいですね。」
思わず、賛辞を送った。

今年採用されたばかりの女性が、管理職に向かってかけた声だった。
管理職も優しい笑顔で彼女の言葉を受けている。
あまり器用ではなく、仕事ものんびりの彼女だけど、この言葉はステキ。

「あら、Hikariさんに誉められちゃったわよ。よかったわねぇ。」
管理職は彼女と私を両方一度にからかってから、言葉を添えた。
「今のその気持ちと習慣、何年たっても忘れないでね。」

そうなのだ。そこが大切なのだなぁ。
「本当、反省です。私なんて図々しくなっちゃって、お忙しいと分かっていても、聞いてくれなきゃ困ります!みたいな勢いで突っ込んでいきますもん。」

「そうしてくれないと、いつまでも話せないって状況もありますからね。」と管理職は、既に別の書類に目を通しながら返事をする。本当はパソコンが終わったら話し合わなくてはならない用事があったのだけど、言い出せない。

「あのぉ、お声掛けしてもよろしいでしょうか?」
恐る恐る私が言うと、管理職2人は同時にお顔をあげて、爆笑し、背筋を伸ばして座り直す。「よしっ。よく言えました。なんでも聞くわよ!!」
なんです?その気合は??





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「ぎゃ〜っ」
朝早くから女性の悲鳴が響いた。指名手配の逃亡者が見つからない時期でもあり、思わずギョッとする。目を凝らすと、女性を襲っていたのはカラスだった。

職場の目の前での出来事で、何人かの同僚が同じカラスに襲われたらしい。頭のすぐ上を通り過ぎたとか、両足でツンツンされたとか。「なんで?私も通ったのに何もされなかった!」という若手に「カラスも無駄は省きたいのよ」と言うと、「私を襲うのって無駄ですか〜?」「だって、何で襲われたか気付かないでしょ?」

ヒナが、巣から落ちてしまったのだ。母カラスは狂気している。そりゃ怒るだろう。だって、どうしようもないのだから。せめて地面に落ちた子が無事であるよう、近づく人を遠ざけてやるくらいしかないのだから。

これはかなり危険ということで、管理職が区役所に連絡を入れている。手間取るようだ。そのうち、隣の敷地の消防署から隊員が来て、ヒナを拾い、巣にもどしてくれた。母カラスは静かになった。が、ヒナに近寄ろうとしない。

野鳥は、人間に触られたヒナを育てることはほとんどない。人間ってよほど臭いのだろう。近寄ろうともしない。つまり、巣から落ちたヒナは生き延びる道がないのだ。自然淘汰。母は悲しかろう。しかし、抗えない。

案の定、午後2時にはまた巣から落ちてしまった。母カラスは怒り炸裂。職場を出たとたんに、母カラスが襲撃してくる。わかるよ、わかる。悲しくてどうしようもないんだよね。でも、襲わないでくれ〜。出張に行きたいだけなんだ!

そこへ、区役所の職員がやってきた。ヒナをそっと包むと、車に乗せて行ってしまった。母カラスは電線にとまって、その様子をじっと見ていた。鳴いて、鳴いて、啼いて、大きな翼を広げて、夕焼け空の頃ようやく去って行った。





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家から一歩も出ないで土日を過ごした。
ここまで徹底するのは、病気の時以外には珍しい。
でも、出なかった。というか、出たくならなかった。

買い物に誘った友達から、仕事で行けないと連絡があった。
こんな時には、人の力も借りられないらしい。
よい、よい。それならそれがよいのだ。

自分のことを棚上げにしていたので、返事をしなければならないメールが何通か残っている。全てに返信し終えると、ひとりだけ、即座に返事をくれた人がいた。その人もまた、思っていた以上に窮地に立たされていた。

ゆったりと、メールが往来する。
その人もまた、過労で身動きがとれないのだ。
会話が進むにつれ、メールに絵文字が増えていく。言葉に無理がなくなる。

聡明な頭脳と強靭な精神の持ち主であるその人は、小さなヒントから瞬く間に状況を把握し直し、気持ちの重心を整え、行動計画を練っていく。
しなやかだな。ほとんど感動に近い感覚が湧いてくる。

人は時として、つまずいたり転んだりする。そうすることで、それまでの歩き方より、別の歩き方があることを知る。しかし、いくら転んでも気付かない人もいる。転ぶのはお前のせいだと言う人も。

今夜は、そんな全てが風景に思える。
……………
きっと、今日一日、気温が低くて爽やかだったからだろう。




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やっとやっと予約をとって、髪を切ってきた。最近のあだ名は「納豆」。長い髪を後ろに束ねた姿を見て、若者が言う。「パカッと納豆のわらのすき間があいて、中から白いねばねば糸が見えてる感じ。」

昔、トウモロコシと言われて傷ついたこともあったけど、今回はそれよりヒドい。何より、自分で自覚していることをこれほど端的に言われると衝撃は深い。発言の主はまたもやあのカピバラ青年だ。

私の長い髪は、努力の結晶だ。私の努力もあるが、10年以上も担当してくれている美容師さんの努力でもある。その美容師さんが、過労で倒れてしまった。結婚して、同じ美容師のご主人とともに夢のマイ美容室を開室したのに。

今回私の髪を切ってくれたのは、オーナーであるご主人。私の担当はその奥様で、以前、彼女が海外研修に出ている時に、代わりに担当してくれたことがある。ご主人の腕も確かで、斬新で、思い切りよく切ってくれたのが小気味よかった。

奥様の様子やら、世間話やらしているうちに、彼女が過労に至った本当の理由が見えた気がした。でも、まだ当事者たちは気付いていないらしい。そういうものだ。自分のことは自分では見えない。でも、歪みは正されるようにできている。

分かったことを「わかった」と、気付いたことを「こうしたら?」と、教えてあげるのは簡単なこと。自分が貢献したような気にもなれる。でも、それって、教える側の自己満足。心配も同じ。自分の優しさを表現するための自己満足になりかねない。

工夫がいる。人は誰でも、大事なことは自分で気付きたいし、自分で掴みたいものなのだ。そしてたいがい、サポートの工夫次第で、誰でも自分で辿り着けるようになっている。今週末はすっかり軽くなった頭で作戦会議をするのです。





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体と同じように、心も疲れる。
体と同じように、心も壊れる。
体と同じように、心も…

気が重い出張だった。
予測通りの結末なのに、とてもとても重たかった。急いで職場に戻らなければならないのに、駅前のドトールで一息つかずにはいられなかった。

ホームのベンチでぼんやりしているうちに、電車が来た。回送、急行、次が私が乗りたい各停のはず。3つ目に来た電車に乗り込む。ドアがしまり、ふと前を見ると、明らかに各停電車が止まっている。ありゃ、急行に乗っちゃった

自覚できる以上に疲れている時、体はいろいろなサインでそれを教えてくれる。
電車の乗り間違いだけではない。
頭痛、喉の痛み、鼻水。はいはい、今日は早く帰って早く寝よう。

いつもより2時間早く(といっても、残業の後)帰宅すると、くまさんがAKB総選挙なるものを見ながら洗濯物をたたんでいる。へぇ、こういうのに興味があるのか。私は3人しか見分けがつかないのに、そのうち1人が引退するんだぞ。

第何位!と呼ばれるたびに、かわいい女の子が舞台に出てきて挨拶する。なぜそんなに泣くんだ?しくみを知らないだけに、意味もよくわからない。中には、泣きながら面白いトークをする子もいる。挑発的なのもいる。

その涙が、本当に心からの感謝の涙ならいいね、とふと思う。感謝というのは人から教わっては意味がないものだ。自分から、心の底から湧きおこった時にこそ意味がある。この総選挙の仕掛け人は、きっとそれを熟知しているんだろうな。





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梅雨が近づいているらしい。今年も頭痛が始まった。あ〜残念だ、残念だ。
誰か、梅雨を好きになる方法を教えてください。
ムシアツイというだけで、私はブルーな気分になる。

雨が強い時、雨宿りするなら本屋がいい。
あのインクの香り、表紙の色を見ているだけで心が和む。
ふと手にした一冊が、今求めている情報満載だったりすることも多い。

そういう時、本は私の目の中に飛び込んでくる。
実際、斜めに出っ張っていたこともあるし、床に落ちていたこともある。
「読んで、読んで、私はここよ!」

昨日、リハビリ読書に『徒然草』がよかろうと書いた。
ブログの送信ボタンを押してから、本棚に向かった。片付け下手の私だけれど、古典の書棚だけは、これはここと決まった位置に整然と並んでいる。

『徒然草』は旺文社文庫版だ。先日も引き出して読んだばかり。
右手の人差し指をかけて、引き出そうとする。
あれ?

出てこない。
もう一度。
あれれれ?

おかしい。そんなにギシギシ詰め込んだ覚えもないのに、頑として出てこない。出勤直前で、格闘時間が確保できず、あえなく諦めた。
『徒然草』は教えてくれたのだ。「まだリハビリ始めるには早いよね。」





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