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今ここで生きていることを楽しむためのブログ

『光源氏計画』

源氏サイトを作りました

 おはようございます。Hikariです。

 

 昨日で「光源氏計画」を終了しました。

 

 パソコンからごらんの方は、右のサイドバー上部にある「目次」のところをご覧ください。

 

 そこに「光源氏計画」をまとめたサイトへのリンクをつけました。

 

 まえがき、あとがきもつけました。あとがきには、メールフォームもついていますよ!

 

 サイトのアドレスはこちら。

 http://home.g00.itscom.net/hikari/genji-top.htm

 今から読まれる方は、サイトへ飛んでからご覧になるほうが読みやすいと思います。ちびちびと文章を書き直してもいますし。

 

 

 

 この物語は、着想から終止符まで、けっこう構想を練って仕上げたはずでした。

 

 それが、実際に終わってみたら、続きを書きたくなってしまって・・・。

 

 実は私、この物語の登場人物たちが、とってもお気に入りなんです。けっこう思い入れも深いんですよね。それででしょうか。これで終わりと別れるのがツライ・・・

 

 続きが、どんどんどんどん、浮かんでくるんですよ〜

 

 どうしたものでしょうね?

 

 折を見て、続編を書いちゃおうかしら??

 

 というわけで(?)、明日からは、日常のできごとをお伝えする、いつもの内容に戻ろうと思っています。

 

 よろしかったら、また明日、お会いしましょうね!

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 19

 おはようございます。Hikariです。

 

 昨日、つばめを見かけました。

 

 もう、帰ってきたんですね。

 

 最後の桜が咲く頃に、あちらこちらに巣をかけて、雛をかえすことでしょう。

 

 春は命の季節ですね。

 

 

 

 「光源氏計画」最終回をお届けします。

 

 近く、「いいんだ!」の時のように、読みやすくまとめる予定です。そうしたら、ご感想などをいただけるメールフォームもつけますね。

 

 お楽しみいただければうれしいです。

 


 

 先輩への手紙 8

 
 先輩。

 

 先月、僕は決心して、人事に行きました。

 

 驚くでしょうが、僕は海外赴任を辞退しました。

 

 行きたい人はたくさんいます。理由はなんだとずいぶん尋ねられましたが、結局辞退を認めてもらうことができました。

 

 僕はもっと仕事を覚えて、実力をつけてから行きたいと言いました。

 

 心から、そう思っています。

 

 人事は、試験には受かっているのだから、準備は行ってからでも十分なだけの実力があるということだと、繰り返し言っていました。

 

 でも僕はもう知っています。その実力は、僕のものではなく、先輩のものです。

 

 

 

 海外勤務は、本当に実力がついたら、またチャレンジします。

 

 海外支店は逃げませんから!

 

 それより、今の僕は、運命としか思えない先輩との出会いを、大切にしたいのです。

 

 

 

 会社の中の情報には何でも通じている先輩が、いまだにこのことを知らずにいるのは不思議です。

 

 僕は海外勤務をこんな時期になって辞退したペナルティーとして、支店へ異動することになりました。

 

 やっぱり僕は、先輩の隣に座っていることはできませんでした。

 

 でも、僕が今度勤務する支店は、先輩も以前勤めたことがある、あの支店です。

 

 僕は、先輩がかつて歩いた廊下を歩き、先輩がかつて会議した部屋で会議をするのだと思うと、それだけで、幸せな気分になれます。

 

 きっと、あの支店で目を凝らせば、今の僕と同じくらいの歳だった先輩が、夢中になって働いていた痕跡が、あちこちに残っているだろうと思います。

 

 そんな場所にいられるのは、幸せなことです。

 

 何より、先輩はきっと、あの支店のことを、いまでもよく知っているはず。

 

 これからも、いろいろと教えてもらえるでしょう。

 

 そうして僕は、先輩の隣を離れて、もっともっとしっかりして、先輩に頼りにされる男になりたいと思います。

 

 

 

 最後に。

 

 僕はもうひとつ、決心しました。

 

 これから、先輩に、このことを話しに行きます。

 

 

 

 「僕は海外には行きません。あの支店に異動するんです。

 

 あそこに通うなら、先輩が住んでいる街がすごく便利です。

 

 僕は、先輩の街に引っ越すことに決めました。

 

 先輩の家のすぐそばに、部屋を借ります。

 

 それなら、職場が違っていても、いつでも会えるでしょう?

 

 先輩が寂しいときには、僕が会いに行きます。

 

 ひとりでご飯を食べる夜は、僕を呼んでいいですよ。

 

 

 


 いつか、僕もまた恋をしたり、失恋したりするかもしれません。

 

 結婚するかもしれません。

 

 それで、おくさんとケンカするかもしれません。

 

 子どもができて、子育てに苦労するかもしれません。

 

 そんなときには、どうしましょうって相談して、先輩を笑わせてあげます。

 

 そうして、いつか、先輩がおばあちゃんになったら、一緒にお茶を飲んであげます。

 

 お花見も、ゲートボールも、付き合ってあげます。

 

 誰も面倒見てくれる人がいなくなっちゃったら、しょうがないから僕が面倒みてあげます。

 

 大丈夫ですよ〜。安心していてくださいね〜。

 

 僕は、今までお世話になったお礼に、先輩をず〜っと、見捨てませんから。

 

 だから、これからも、どうぞよろしくお願いします!」

 

 

 

 これが、僕の、精一杯の告白です。

 

 

 

 先輩はきっと、あの、困惑したときの無表情になって、それから、僕の大好きなあの笑顔と笑い声で、こう言うでしょう。

 

 

 

 「何をわけの分からないこと言っているの?

 

 せっかくのチャンスを勝手に断るなんて!!

 

 くだらない相談はいくらでもするくせに、どうしてそんな大事なこと、先に相談しないの!?

 

 まったく、ばかな子ね!!

 

 だいたい何を勘違いしているの?

 

 身の程知らずに、私の面倒を見るですって?

 

 面倒みられるのは、いつだって、あなたの方でしょう!!

 

 私を見捨てないですって!?

 

 私に見捨てられたら困るのは、あなたの方じゃないの!!

 

 まったく、どこまでもトンチンカンなんだから!!

 

 

 

 でも。

 

 

 

 かわいいなぁ〜!」

 

 (おわり)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 18

 おはようございます。Hikariです。

 

 Hikari地方では、明日から新学期が始まります。

 

 街には、春休みの子どもたちがあふれていましたが、それもみんな、すうっと学校に吸収されて、日中は大人ばかりになることでしょう。

 

 お正月も、気持ちを新たにするにはよいチャンスですが、日本の風土には、この4月の「年度がわり」というのも、大きな変化のチャンスだと思います。

 

 居場所が変わり、周囲の人が変わり、季節が変わって、人を古いままではいさせてくれません。

 

 あなたを縛り付けてきた、古い習慣がありませんか?

 

 それが、新しいものに対する反応のしかたであったりするならば、今が脱出のチャンスですよね。

 

 今年の4月は、いつもと違う反応をしてみましょうよ。

 

 愚痴を言ってきたなら、やめてみる。
 泣き言を言ってきたなら、やめてみる。
 すぐにへこたれてきたなら、ちょっとだけ余分に頑張ってみる。
 緊張してきたなら、ちょっとだけ緩めてみる。

 

 古いパターンを脱ぎ捨てた私たちは、きっと、春に相応しい生き方をまたひとつ、マスターすることになるのではないかと思います。

 

 では、ラスト前の「光源氏計画」をどうぞ。

 


 

 先輩への手紙 7

 

 長くなったこの手紙を、僕は何度も読み直しました。

 

 先輩と一緒にした、いろんなことを思い出して、すごく懐かしくなりました。

 

 たった1年間のことなのに、もうずっと、生まれたときから一緒にいるような気がします。

 

 それどころか、生まれる前から、先輩と一緒にいたような気だってするんです。

 

 

 

 僕は、僕の手紙を読んでいて、自分の言い訳に気付きました。

 

 先輩が僕を叱るのは、いつも決まって、僕が言い訳をしたときでしたね。

 

 「言い訳しない!ごまかすんじゃないの!!」

 

 もう言い訳はしないって、先輩に約束しました。

 

 だから僕は、自分をごまかしてはいけませんよね。

 

 

 

 先輩。

 

 僕は、先輩が好きです。

 

 すごく好きです。

 

 母や姉のようにではなく。

 

 アイドルや、同年代の女友達のようにでもなく。

 

 心の底から信頼しています。

 

 ずっと、傍にいたいです。

 

 先輩が僕を好きだからではありません。

 

 僕が、先輩を好きなんです。

 

 もしも、先輩が僕のことを、何とも思っていなくて、僕がいなくなったら、すぐに僕のことを忘れてしまったとしても、僕はやっぱり、先輩のことが好きだ。

 

 先輩がもっと年下で、ご主人と結婚する前に僕と出会っていたら・・・とは思いません。

 

 僕は、今の先輩が好きだ。

 

 先輩に出会うために、僕はこの会社に就職したのだと思うのです。

 

 それどころか、先輩に出会うために、僕は生まれてきたのではないかとさえ、今では思います。

 

 

 

 僕は、先輩を、ほんとうに、愛しています。

 

 

 

 ああ。

 

 やっと言えた。

 

 これが、僕の、本心です。

 

 

 

 僕は、自分の気持ちをどうしたらいいのか、考えました。

 

 僕の愛は、世間でよくある恋愛関係や不倫では、解決しそうにありません。

 

 

 

 それに、僕が海外に赴任すれば、先輩とは離れ離れになります。

 

 それは、しかたがないことです。海外勤務での仕事には、やりがいも興味もあります。

 

 ネットもメールもあるから、いつでもつながっていられます。だけど、僕には先輩が見えなくなるし、先輩にも僕が見えなくなります。

 

 それより。

 

 僕は、先輩の隣にある、空になった僕の席に、別の新人がやってきて、座るところを想像すると、内臓がギュッと締め付けられるような気がするのです。

 

 たとえそれが女性でもです。

 

 先輩が隣の机の資料を覗き込んで、それはね・・・と説明する、声を聞くのが僕ではないんだと思うと、たまらないんです。

 

 先輩が僕を忘れてしまっても我慢できます。でも、ほかの新人に夢中になって何かを教えている姿を想像すると、大声で叫びたくなるんです。

 

 僕以外の人が、先輩から「ありがとう、いいね!」って言われるのはゆるせない!

 

 そうか。これが、嫉妬というヤツですね。

 

 こんなことを考えている自分に幻滅だし、恥ずかしいです。

 

 仕事に、こんな私情を持ち込んではいけないですよね。

 

 先輩にばれたら、「子どもじゃないんだから」と叱られますね。

 

 でも、この気持ちはどうしようもありません。

 

 

 

 それに、最近、先輩は僕に以前ほど、いろいろ教えてくれなくなりました。

 

 もちろん、僕が尋ねれば、いつでも答えてくれます。

 

 でも、以前のように、こうしてみたら?ああしてみたら?と、僕の様子を観察していて、失敗する前にアドバイスしてくれるようなことは、すっかりなくなってしまいました。

 

 先輩は、僕を手放す準備をしている。

 

 僕は、たったそれだけで、さみしくて、しかたがないのです。

 

 

 

 だから・・・

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 17

 おはようございます。Hikariです。

 

 なんて疲れた金曜日!

 

 今でこんなでは、来週からどうなってしまうのかしら?

 

 笑顔でゆっくり、穏やかに、しなやかに。

 

 どんなに困難な時でも、自分らしさと自分の軸とを見失わないでいようと、今改めて思います。

 

 では、「光源氏計画」をどうぞ。あと少しで最終回です。

 


 

 先輩への手紙 6

 

 先輩。

 

 僕はこの手紙を、先輩に送らないのではなくて、送ることができないのです。

 

 これから書くことは、僕の胸の中だけにしまっておきたいからです。

 

 あら、勘違いよ、なに勝手なことを考えているの?

 

 先輩は、きっとそう言うに違いありません。

 

 分かっています。

 

 先輩は、どっちにしろ、そう答えるしかない。

 

 分かっていても、聞きたくありません。

 

 でも、そっと、ここに書くだけなら、そうして、先輩の見慣れた笑顔を思い出すだけなら、きっとゆるしてもらえると思う。

 

 

 

 先輩。

 

 先輩はもしかして、僕のことが、好きなのではないでしょうか。

 

 手のかかる部下としてではなくて。

 

 時々、そんな気がしてしかたがなかった。

 

 何気なく僕を見ているときの眼差し。

 

 書類を渡すときに触れる手の温度。

 

 3センチだけ先輩よりも背が高い僕と、並んで歩くときの横顔。

 

 僕の勘違いを「かわいいなぁ〜!」と笑う声。

 

 僕が女の子と話しているのを見ているときの、ちょっときつい視線。

 

 もしかしたら、僕は先輩に愛されているのではないかと、ちらりと、心の中で考えてみるだけで、僕は、体中があたたかくなって、胸がドキドキしていました。

 

 あんなにすごい女性から、特別に愛されているなんて、まるで、シンデレラみたいだ!あれ?なんだ、この例えは?

 

 先輩は誰にでも優しい。

 

 だから僕にも優しい。

 

 それは分かっています。

 

 でも、それだけ、だったのでしょうか。

 

 僕の勘違いでしょうか。

 

 先輩にとって、僕だけは、なんだかちょっと特別なのだ、そう思っていいかな?と、そんな気がしていたんです。

 

 

 

 僕は、勝ち目のない勝負がきらいです。

 

 だからいままで付き合った女の子も、僕のことを好きだと先に言ってくれた人ばかりです。

 

 どう思ってくれているのか分からない相手に、「僕を好きですか?」なんて、聞くことはできません。

 

 

 

 だけど、何度も、先輩に「僕を好きなんですか?」と聞くところを想像しました。

 

 そうしたら、先輩はなんて答えるのかな?って。

 

 「大好きに決まっているでしょう?」

 

 そういわれたら・・・って。

 

 

 

 でも、先輩にはご主人がいます。

 

 僕が先輩を幸せにできるとか、ご主人から奪い取ろうとか、そんなことは考えられもしません。

 

 だから、もしも、先輩に「僕を好きですか?」と尋ねて、先輩が「好きよ」と答えてくれたら、僕は、嬉しいのかどうしたらいいのか、きっと分からなくなってしまいます。

 

 先輩は、僕の考えていることなんか、きっと全部お見通しです。

 

 先輩は、いつだって、僕を困らせない。

 

 だから、本当に勘違いでも、本当は好きでいてくれても、「あら、勘違いよ、なに勝手なことを考えているの?」と笑うに違いないのです。

 

 あの、曖昧な笑顔で、僕を惑わすに決まってる。

 

 わかってるんだ。

 

 

 

 だから僕は、わざと、先輩を女性として見ていないかのように振る舞ってきました。

 

 先輩が特別に優しいと感じても、気付かないふりをしました。

 

 でも。

 

 

 

 自信があるわけではないのです。

 

 やっぱり、僕の勘違いかもしれない。

 

 本当に勘違いかも。

 

 

 

 ・・・・・・ああ。ぐずぐずと、僕は、いったい、何を考えているのだろう。

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 16

 おはようございます。Hikariです。

 

 昨日は一日休暇をいただいて、家にいました。

 

 パソコンをして、小説を書いて、家事をして。

 

 夢の生活のはずなのに、お昼過ぎにはすっかりダルくなって、眠くなって、1時間半、爆睡してしまいました。

 

 少しも胸がときめきませんでした。

 

 3時を過ぎた頃、なんとも外に出たくなって、あちらへこちらへと用事を済ませて歩きました。

 

 気にかかっていた物事が、すっと片付いていくのは快適です。

 

 でも、これが私の目指す生活?と思ったら、なにかがっかりでした。

 

 どうしてなんでしょうね?

 

 では、今日も「光源氏計画」をどうぞ。

 


 

 先輩への手紙 5

 

 どんなことでも、先輩に何かを頼まれるのが、僕はいつもうれしかった。

 

 「任せたわよ。」って、最初のうちは、それでも、目を離さないで気配りをしてくれていましたね。

 

 それが、だんだん、本当に任せきりにしてくれ、「どう?」って出来上がりを確認して、「ありがとう、いいね!」って。

 

 うれしかった。ほんとうに、うれしかったです。

 

 先輩の「ありがとう、いいね!」は、いつも魔法の言葉でした。

 


 

 

 先輩の気配りや、僕のためを思ってくれていたいろいろなことに、僕はずっと、ぜんぜん気付いていなかったと思います。

 

 だけど、もう、気付きましたよ。たぶん。全部ではないかもしれないけど。

 

 僕が任された仕事を安心してやってこれたのは、後ろに先輩がいてくれたからです。

 

 海外赴任の準備を進められたのも、先輩がいたからです。

 

 どれもこれも、自分ひとりの力ではなかった。

 

 僕ひとりでは、まだまだ未熟で、大したことはできないんです。

 

 

 

 その証拠に、先輩が任せてくれた仕事は、先輩がやってもよかった仕事ばかりです。

 

 僕はとうとう、先輩が抱えきれなくなったことや、うまくできなかったことを肩代わりすることができませんでした。

 

 先輩がほかの人に「お願い、助けて!」と相談を持ちかける様子を隣で見ながら、僕はいつもすごくさみしくて、がっかりで、落ち込んでいました。

 

 わかっています。最初からそんなことは無理ですよね。

 

 でも、そんなふうに頼りにされてみたかったと思います。

 

 今が無理なら、いつか、なりたいと思う。

 

 

 

 どうしたらいいのか、僕は一生懸命考えました。

 

 考えたけど、よくわからないので、ある日、とりあえず、先輩がすることを真似してみることにしました。

 

 次の予定に移る時。みんなと食事をする時。

 

 一日中、先輩がいつもするようなことを、先輩がする前にしてみようと思いました。

 

 驚きました。

 

 今するべきことをしながら、どれだけ先のことを意識しているか。

 

 周りの人たちの様子を、どれだけ細かく見ているか。

 

 あんなに意識していたのに、それでも先輩の手のほうが、何度も僕より先に動きましたね。

 

 今までの僕は何だったのだろう?と思いました。

 

 耳が5人分くらいついていて、目が10人分くらいなければ、あんなふうにはできないのではないかと思います。

 

 それを、先輩はにこにこ笑いながら、普通にやっていたんですね。

 

 これができるようになれば、先輩みたいにいろいろな人から頼りにされ、いろんな仕事をこなして、後輩の指導もできる人になれるんだなと思いました。

 

 先輩は、僕の目指す世界です。

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 15

 おはようございます。Hikariです。

 

 我が家のご近所のガソリンスタンド。

 

 昨日は一日中、臨時休業でした。

 

 珍しいこと、どうして?と思ったら・・・

 

 「ガソリン売り切れ」だそうです。

 

 国政がそのまま生活に跳ね返る姿を、久しぶりに見た気がします。

 

 なんだか、オイルショックの時の、トイレットペーパーが売り切れて買えない!というニュースを思い出しました

 

 では、「光源氏計画」をどうぞ。

 


 

 先輩への手紙 4

 

 海外勤務の内部試験に合格したと分かったとき、僕は少しもうれしくありませんでした。

 

 不安でいっぱいになりました。

 

 こんな試験、受けなければよかったと思いました。

 

 先輩に報告したとき、先輩が泣きそうな顔をしているのを見て、もっと不安になりました。

 

 僕はホントに頼りない存在なんですね。

 

 でも、そのとおりだと思います。

 

 先輩が僕より先にシャキッとして、大丈夫、赴任するまでにしっかり準備をしようね、と言ってくれた時でも、僕はそれしかないと思いながら、まだ不安でした。

 

 くやしいけど、不安でいっぱいでした。

 

 

 

 先輩はすごいです。

 

 何でも知っていて、何でもできる気がします。

 

 僕にはわからない未来のことや人の気持ちまで、何でもお見通しだと思ったことがたくさんありました。

 

 そうかと思うと、意外なことを知らない。知らないとわかると、すごくくやしがる。

 

 怒ったり、笑ったり、ぐったりしていたり、すごく元気だったり。ものすごく大人に見える日もあるし、子どもみたいにわがままな日もある。

 

 初めのうちは、どれが本当の先輩かよくわかりませんでした。

 

 でも、今ならわかりますよ。どれも全部先輩だ。

 

 そうして僕は、いつの間にか、僕が先輩の傍にいるのは当たり前だと思うようになっていました。

 

 周りの人たちに、仲がいいよね、いつも一緒だねと言われても、照れる気持ちにもなりませんでした。だって、僕たち実際仲がいいですよね。

 

 僕は、先輩のことを友達に話すのが、ちょっと自慢でした。

 

 

 

 先輩は僕が敬語を使うと、年上だと毎回確認されているみたいだからいやだと、いつも言うけれど、僕は先輩が何歳かだなんて、もうぜんぜん考えなくなっています。

 

 だけど、先輩にご主人がいることだけは、忘れるわけにはいきません。

 

 先輩の家庭は、ものすごく不思議で、普段、先輩は一人暮らしをしているんじゃないかと思うんです。

 

 独身だって思う。

 

 だけど、先輩の話の中にご主人のことが出てくると、ドキッとします。

 

 仲がよさそうで、そうでもなさそうで。

 

 もっと聞きたいような、もう聞きたくないような。

 

 こっそり、白状します。

 

 ほんとは、先輩がご主人のことを自慢そうにほめるのは、聞きたくありませんでした。

 

 先輩にほめられるのは、自分だけでいいって、思ってました。

 

 だから、先輩がご主人の話をしている最中に、用事を思い出したふりをして逃げ出したことが、何度もあったんです。

 

 ご主人だけではありません。

 

 僕は先輩が僕以外の人をほめるのが、ほんとうは、いつもくやしかった。

 

 先輩にほめられるのは、僕だけでいたかったんです。

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 14

 おはようございます。Hikariです。

 

 町のそこここで、真新しいスーツに大きな荷物の新入社員さんたちをみかけました。

 

 新しい場所で新しい人とって、けっこう大変だよね。

 

 でも、大丈夫。来年の今頃には、見慣れた顔と慣れた場所に変わるからね。

 

 とりあえず、ゴールデンウイークまでがんばってみましょうか。

 

 では、今日も「光源氏計画」の続きです。

 


 

 先輩への手紙 3

 

 先輩はいつも、時間を惜しまず、僕の勉強を手伝ってくれました。

 

 時々、どうしてこんなにまでしてくれるのかな?と思ったけど、先輩は僕と勉強するのが楽しそうだったので、だからだろうと思いました。

 

 夜でも休日でも、僕が質問すると、先輩はいつでもすぐに答えてくれました。

 

 先輩が僕のために使ってくれる時間がどれだけ多いか、今から考えると信じられないくらいだったのに、その頃の僕は、自分のことで精一杯で、少しも疑問に思いませんでした。

 

 僕は夢中になりました。

 

 先輩が、このケースはどうする?それは違うわ、これならどう?と質問してくれるたびに、一生懸命考えました。

 

 そして、最後に「いいね!」と言われる時のうれしさ。

 

 そのうれしさを、いくつもいくつも重ねていく楽しさ。

 

 僕はもしかしたら、一生、あの時のうれしさや楽しさを忘れないかもしれません。

 

 そうして、僕はまた勘違いをしてしまいました。

 

 僕は先輩の教えどおりに、ものすごく成長しているんだって。

 

 

 

 だから、結果発表の前に、先輩が話してくれたことを聞いて、僕は本当に、どうしようかと思いました。

 

 僕は僕の勘違いに気付いたんです。

 

 先輩の言うとおりです。

 

 もしも先輩が「それは違うんじゃない?」「話がずれているよ」と教えてくれなかったら、僕は自分の間違いやズレに気付かなかった。

 

 もしも先輩が「次はこう考えてみたら?」と教えてくれなかったら、一人で先を考え付くことができなかった。

 

 先輩が一緒にいてくれたから、勉強も進んだし、わかった気持ちになれたんです。

 

 先輩の、いつもの笑顔が消えた深刻な顔を見ながら、僕は混乱しました。

 

 このまま内部試験に合格しても、僕はひとりではやっていけないのかもしれない。

 

 先輩は、自分の教え方が間違っていたと言うけれど、そうじゃありません。

 

 僕に力がなかっただけです。

 

 それでも、その時は、大丈夫、合格したら先輩に心配かけないように、精一杯頑張ろうって思っていました。

 

 それより、まぁ、合格しないだろうな、そうしたらまた、先輩のもとで勉強させてもらおうと思っていたんです。

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 13

 おはようございます。Hikariです。

 

 さて、4月1日です。

 

 いろんな方が、Hikariと同じように、今日は新たな何かに接することでしょう。

 

 疲れたら、休めばいいんです。

 

 疲れるのを恐れて、一歩踏み出すのをためらうような生き方はしたくないですね。

 

 では、「光源氏計画」です。

 


 

 先輩への手紙 2

 先輩は、ほかの人とすごく違っていました。

 

 ほかの人からは、自分でやってみなさい、自分で考えなさいって、いつも言われました。

 

 でも、先輩は、これはこうするのよ、あれはこう考えるのよと、やり方を教えてくれました。

 

 そうして、いつも、一緒にやって、見せてくれました。

 

 見せてから、もう一度、どうなっていたのか説明してくれました。

 

 僕は、知識が足りないので、自分で考えても、最初からは、どうしてもうまくいきません。

 

 だから、先輩が、まず、うまくいくやり方を見せてくれるのが、本当にありがたかったです。

 

 でも、そのせいで、先輩は僕の知らないところで、部下に甘いって非難されていたんですね。

 

 後になって知りました。

 

 先輩は僕の様子を見てやり方を選んでくれたのだと思います。なのに、先輩が非難されることになってしまって、本当に申し訳なかったです。

 

 

 

 先輩は、いろんなことを僕にやらせてくれました。

 

 そうして、よくない点があったら、ほかの人に叱られる前に見つけて、修正の仕方を教えてくれました。

 

 うまくいったときには「ありがとう、いいね!」と、認めてくれました。

 

 あの「ありがとう」を、僕は、勘違いしてしまったんです。

 

 僕が先輩から「ありがとう」と言ってもらえるのは、僕が仕事を覚えて、成長したからだと思っていました。

 

 それが、とんでもない勘違いだったと、後になって気付きました。

 

 気付いたのが遅かったので、その前に、僕は先輩もかつてチャレンジしたという、海外勤務の内部試験にチャレンジしようという目標を持ちました。

 

 先輩はいつも言ってくれました。

 

 「私にできたことなんだから、あなたにもできるわよ。」

 

 僕は、本当にそうなんだと思いました。

 

 だから、挑戦したかったんです。

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 12

 おはようございます。Hikariです。

 

 今日は3月最終日。寒いですね〜。外は冷たい雨がしっかりと降っていて、薄暗くて、まるで夕方のようです。

 

 私と同じように休暇をとっているくまさんも、おでかけをする気持ちになれなかったようで、後ろでゴロゴロ新聞を読んでいます。

 

 銀行だとか、郵便局だとか。

 

 平日にお休みをいただいたからこそできる用事がいくつかあるというのに、ぜんぜんやる気にならないのは、きっと天気のせいだということにして、骨休めをしています。

 

 明日からは、新たなスタートです。

 

 髪を切って、爪を切って、マニキュア落として、瞳を上げて。

 

 今日はその、準備の日ということで。

 

 それでは、『光源氏計画』の完結に向けて、しばらく連載したいと思います。

 


 

先輩への手紙 1

 

 僕は、年賀状くらいしか手紙を書いたことがありません。

 

 しかも、送るつもりのない手紙を書くなんて、考えたこともありませんでした。

 

 でも、この手紙は、どうしても書きたいと思います。

 

 先輩に読んでもらうことはないけど、一生懸命書きます。

 

 先輩、と呼びかけることをゆるしてください。

 

 先輩は名前で呼べっていつも言うけれど、やっぱり、今はまだ、「先輩」です。

 

 

 

 先輩に出会って、1年ですね。

 

 最初はなんて長いんだろうと思っていたけど、振り返ってみると、あっという間でした。

 

 いろんなことがあって、失敗したり、迷惑もかけたけど、すごく充実した1年でした。

 

 先輩に、大事なことをたくさん教えてもらって、少しは成長したかなと思っています。

 

 

 

 1年前、僕はとても自信を持ってこの会社に就職しました。

 

 けっこういろいろとバイトもしてきたし、最初はうまくいかなくても、すぐに慣れたし、ほめられたり頼りにされていると思ってきたからです。

 

 大丈夫、自分にはできると、いつも前向きでした。

 

 だから、この会社に来て、いろんなことでいろんな人に叱られて、最初はほんとに驚きました。

 

 怖い人たちだなと思いました。

 

 まさか、自分のせいでみんなが怒っているなんて、考えもしませんでした。

 

 

 

 暑くなってきた頃だったと思います。

 

 何のことだったか、細かいことは忘れてしまったけど、誰かを怒らせてしまったときに、先輩が、なぜその人が怒っていたのか、わかりやすく説明してくれたことがありました。

 

 自分が何気なく言っている言葉が、相手をイライラさせていたとわかって、すごく驚いたし、しまったと思いました。

 

 先輩に言われなければ、いまだに気付いていなかったと思います。

 

 多分、あの時から、僕は先輩を頼りにするようになったのだと思います。

 

 

 


 いや、ちがうな。

 

 もっと前。

 

 仕事が始まって3週間目くらい。

 

 任された仕事を、ひとりでやりきれなくなってパニックになったときに、先輩は当たり前のようにやってきて、手伝ってくれましたね。

 

 僕の代わりにその仕事をしながら、どうすればいいのか、簡単そうに説明してくれました。

 

 聞いてもぜんぜん先輩と同じにはできなかったけど、どれほど助かったか、言葉では言えません。

 

 きっと、あの時からです。

 

 

 

 あ、違う。

 

 違います。もっと前。

 

 初日です。

 

 出社初日に、僕は、ちょっとしたミスをして叱られていました。その時、その場に居合わせた先輩が、「まぁまぁ、これから気をつければいいのだから。」と、間に入ってくれました。

 

 すごく、ほっとしました。

 

 そうか。僕は最初から、先輩を頼りに思っていたんですね。

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことが起きますように。

光源氏計画 11

 おはようございます。Hikariです。

 

 昨日、ものすごい光景を目にしました。

 

 雨風の中、買い物に出かけたのですが、大きな交差点の横断歩道を渡っていたら、まんなかに、なにやら布が落ちているのです。

 

 雨にぬれ、車に踏まれたらしく、ぴったりとアスファルトに張り付いているその布を、なんとなく覗き込んでみたら・・・

 

 パンティーでした

 

 それも、シュガーピンクの、レースをふんだんにあしらった、ゴージャスなヤツです。

 

 いったい、どうしてそんなものが、道路の真ん中に、一枚だけご丁寧に落ちているのか・・・

 

 世の中、不思議なことがあるものですね。

 

 え

 

 拾いませんよ〜何を想像しているんですか

 

 それでは、気を取り直して、『光源氏計画』をどうぞ。

 


 

 だけどね、私、今のままではいけないと思うの。

 

 友人の目が真剣にキラリと光ります。彼女がこういう目をした時は、何かとても大きな決断をしたときなのです。

 

 いけないって、どうして?

 

 私ね、彼に頼ってほしくてたまらないの。何でも相談して、何でも一緒にしていたくてたまらないの。

 

 私にはそのほうが楽しいし、嬉しいし、ワクワクドキドキして都合がいいことばかりよ。だけど、長い目で見たら、彼にとってはよくないことだわ。

 

 短い期間ならいいの。なるほど、これはこうやるのかと見て覚える期間なら、何でも一緒でいいのよ。だけど、いつまでもずっとそうしていたら、彼は私を頼らなければ何もできない人になってしまうわ。

 

 もともとあれだけトンチンカンで、今だって、愛情抜きで見たら、ボケボケしていて大変よ。その上まだ人頼みでは、世の中渡っていけないじゃないの。

 

 今になって分かったわ。神様がどうして彼を海外に行けるようになさったのか。

 

 きっと、私に出会ったからね。

 

 このまま彼を私のそばにおいたら、彼を損なってしまうとお考えなんだわ。

 

 だったら、私、神様に応えなきゃ。

 

 どうするつもり?と問いかける私に、彼女の笑顔は寂しすぎました。20代の女性には決してできない笑顔です。

 

 今ね、彼の中には私がいっぱいなんだと思うの。

 

 え?

 

 子育てと同じよ。ママの言うことでいっぱいなの。彼もそう。いつも私がそばにいて、安心しきって、油断しきって、のびのびとしてきたの。失敗しても怖くない。だって、助けてもらえるから。できないことがあっても大丈夫。だって、代わりにやってもらえるから。そう思っているわけではないだろうけど、そういう安心感はあると思う。

 

 ええ。

 

 でもね、私、彼のママになるのはイヤよ。ママはひとりで十分だもの。

 

 そうね。そのとおりね。

 

 だからね、ここらへんで、彼に私を注ぐのをやめてみようと思うのよ。

 

 なるほど!

 

 彼の中に私が空っぽになるまで、待ってみるつもり。

 

 できる?

 

 そりゃ、難しいわよ。うずうずしちゃうかもね。でも、やらなきゃ!

 

 キラリ。

 

 彼女の目がまた、光りました。

 

 (つづく)

 

←ありがとうございます!

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
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