瑠香は、動物に例えるなら白ウサギのようなイメージです。本当に色白で、ぽっちゃりした体はフワフワと柔らかくて、おっとりと日向ぼっこでもしているような性格です。仕事に完璧さを求め、部下の小さなミスも容赦なく叱り飛ばすあの部長と瑠香がどこで心を通わせたというのでしょう。

「理由なんてないですよぉ。もっと一緒にいたいなぁって思ったんです。これからずっと、いろんなことを一緒にしたいなぁって。彼がおじいちゃんになっても、寝たきりになっても。だから部長にお願いしてみましたぁ。そしたら、よろしくお願いしますって。相思相愛ですぅ。あははは。」

あははは、なんてものではありません。結婚式はしないけど、新居に引っ越しするから遊びに来てくださいねと言う瑠香と別れて、私はいつの間にか、融が亡くなった階段へと向かっていました。実家の近くなので、もう何年も足を運んでいません。階段の上には眺めのよい公園があります。あの日の融の真似をして、近くのコンビニで缶チューハイを買いました。

公園にはすべり台があります。夜更けの公園には人の気配もなく、酔って気が大きくなっていた私は、迷わずすべり台の一番高いところに腰かけて、缶チューハイを飲み干しました。私が安住さんにひとりよがりな片思いをしている間に、瑠香は部長と愛を育んでいたのか…。世の中どうなっているのか、さっぱりわからない。

100%私の責任だとしたら…。すっかり酔っ払った頭に、このテーマは重たすぎました。でも、ひとつだけ感じたことがありました。それは、今まで通りの考え方や行動をしていたのでは、今まで通りの結果しかでないだろうということでした。結果を変えたければ、行動を変えてみるのがよさそう。

さしあたり、今までの私なら、100%自分の責任と思った途端に、自分のあれこれが悪く思えて自己卑下していたに違いありません。だったら、今まで絶対しなかった行動をするとしたら…。私はすべり台の上に立ちあがりました。そうして、腹の底から大声で叫びました。
「私は、悪くな〜い!」







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