確か、赤だったような気がする。
小学校何年生だったのだろう。私はその長靴が大好きだった。
ズックなら避けなくてはならない水たまりも歩けるから。

雨が降るのが楽しみだった。ある雨の朝、その長靴をはいて登校した。でも、帰りには雨が完全に上がっていた。クラスの男の子に、何やらからかわれた。
以来、長靴があまり好きではなくなった。帰りには危険な履物だ。

中学だろうか。きっと台風だったと思う。すでに自分の長靴をもっていなかった私はやむを得ず母の長靴を借りた。その長靴は、サイズはピッタリで快適だったのだが、男子にからかわれた。「給食のおばさん長靴!」白い長靴だった。

以来、長靴をはいたことがない。
あんなに好きだったのに。
自分の「好き」よりも、人の目を気にする子供だったんだな。

近年の「ゲリラ豪雨」にたびたび泣かされてから、また長靴が欲しくなった。ブーツのようなおしゃれな長靴がたくさん登場して、子供の頃の痛手を思い出さずに済みそうだ。いや、今ならホントは給食のおばさん長靴でも平気になった。

でも、どうせならオシャレなのが欲しいじゃないか。昨年は、あれこれ物色しているうちに雨の季節が過ぎてしまった。今年は台風4号で濡れネズミになった経験から、もう先延ばしできないと思った。そこで、とうとう決断したのだ!

ゼブラ長靴ゼブラ長靴ハイカットスニーカー風。長すぎないから暑くない。短すぎないから雨が入らない。へへっ。やったぜ。台風後の大雨。チャンスじゃないか。デニムの裾をまくりあげ、ゼブラ全開ででかけよう。ホホホッ。

水たまりも平気。かかとのはね上げも気にならない。フフフッ。いい買い物したなぁ。



ズボッ。
電車を降りた時、何か濡れた棒のようなものがゼブラのアキレス腱沿いに入ってきた。何だ?ふり向くと、小学生が傘の先をを突っ込んでしまったのだった。真っ赤な顔をした小学生は、傘を必死に抜き取ると、謝りもせず弾丸のように走り去って行った。






人気ブログランキングへ ←ポチッと応援、お願いします!