「八幡平のクマ牧場でヒグマが逃げたんだって!」
うちのくまさんが珍しく慌てている。
なぜなら、八幡平がある鹿角市はくまさんの生まれ故郷だからだ。
八幡平にも帰省するたびに行ってみる。事件が起きたクマ牧場に入ったことはないが、前は何度も通っている。確かに、ヒグマがいると書いてあった。近くのレストハウスでは、ツキノワグマが檻に入っていたっけ。
「ヒグマはいけませんね。なぜ逃げただか。」
「飼育員が二人もなくなったらしいぞ。腹減ってたのかな。」
クマの気持ちはあなたの方がよくわかるだろう。
しかし、どうやって逃げたんだろうね、エサあげようとして失敗したのかな?
「なんだか、6頭も逃げてて、猟友会が出たらしいよ。」
「なんてことでしょう、クマさんたちに罪はないのに・・・。」
結局、みな仕留められてしまったらしい。クマさんたちは頭がいいから、一度人を襲ってしまうと、収拾がつかないということだろう。かわいそうな話だ。テレビに写るコンクリートのプールみたいな殺風景な風景を見て、同情する。
雪寄せした雪を檻の中に落としたため、スロープができて、そこを歩いて外に出たようだ。チャンスがあれば、クマたちは森に帰りたかったのだろう。いくら餌を豊富にもらえたって、それだけでは満足できなかったんだ。QOLの質は高いに限る。
クマたちは本当に逃げたのだろうか?「逃げた」というのは人間の勝手な判断で、本当はちょっとだけ、一番くつろげる場所で休みたかっただけかもしれない。ちょっと遊びに行きたかっただけかもしれない。
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コメント
コメント一覧 (4)
子どものころに北海道のクマ牧場に行ったことがあります。
あの当時は観光客でにぎわっていましたが、コンクリートでできた熊舎にたくさんのクマが同居させられ、観光客に餌をねだる姿がかわいそうでした。
まして、観光客の減った昨今……くまたちは本当に自然に帰りたかったでしょうね。
昨年の夏、自家用車で出掛けた旅行では
鹿角市も通過しておりました
クマもさることながら、人もなくなっております
何かが間違っているから
多くの人を不幸にしてしまったのでしょう
遺族の悲しみが癒えることは、ありません
福島原発がまた、おそろしいことになりそうな
そんな報道があります
それでも保身に走る人たち、残念でなりません
何かが間違っています
北海道のって、登別でしょうか。
それなら私も行ったことがあります。
餌ちょうだい!と合掌するクマさんがかわいいと
感じたのは最初の数分だけ、
大きな命を上から見下ろしエサで釣る人間の醜さを
目の当たりにしたようで、
とても気分が悪くなったことを思い出しました。
動物園がなぜあるか、という、岸田秀氏の優れた文章を読んだことがあります。
何か、どんどんずれて行っている気がする。
それに気付ける自分でありたいですね。