5日。前日の価格調査をもとに、今度は試作品の材料を購入に出かける。
その前に、映画でも観ようか。朝一番なら、それほど混雑もないだろう。実際は混んでいたけど、ぽっかり空いていた特等席で観た。おひとり様の特権。

ふと、お気に入りのショップに足を運ぶと、丁度ほしかったタンクトップが安い。おお、またまたツイている。2枚購入、小さなかわいいビニール手下げに入れてもらい、いよいよ仕事だ。休日だけど今だからできることをやる方が先々楽だ。

ところがだ。材料を売っている店がとても混んでいて、なかなか用事が済まない。荷物も多いし、待ち疲れてきた。たかがカゴひとつの買い物に2時間。気が遠くなった。もう何もしたくない、帰ろうと思った時、タンクトップの手下げがないことに気付いた。

慌てて店内を確認する。レジにも聞いてみた。落し物は届いていないらしい。店に入った時には確実に持っていた。邪魔だな、落とさないかなと、袋を見ながらこの場所で思ったことも覚えている。でも、ない。

サービスカウンターにも届いていなかった。連絡先を告げて帰るしかない。ああ、なんてこった。いろいろな、不快な思考が浮かんでくる。まぬけだなぁ、拾った人は届けてよ、泥棒じゃないか、これって老いの到来?…どれも捉まえない。

「でもさ、財布でもケータイでもなくてよかったんじゃない?」ふと浮かんだこれをキャッチ!本当にそうだ。確かに拾った人には届けてほしいし、老いの証かもしれない。でも、捉まえるのはこれがいい。

それでもかすかな落胆が消えないので、友達にメールしてみた。「落し物しちゃった。でも、財布でもケータイでもなくてよかった。」返信。「ホントだね〜。ラッキー」いつの間にか、落し物はツイてる出来事になっていた。





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ちなみに、観た映画は「テルマエ・ロマエ」です。ローマ彫刻に負けない濃い顔の人々が何人も出ていて、理屈抜きに面白かったです。ちょっとした息抜きをしたい方に向いているかもしれません。

そうして、結局、タンクトップは返って来ませんでした