ある程度経験を積むと、その人がそうであるのは、持って生まれた性質か育ち方の問題か、見分けがつくようになる。ところが、世間一般では、持って生まれた性質で、何かが極端にできないことをものすごく嫌う傾向がある。

嫌うあまり、親であっても、子供の脳の発達に偏りがあって、特定の分野が成長できない脳の持ち主であり、本人は実に生き難い思いをしていることに気付かない。気付こうとしない。気付かされると否定する。ま、親だからだろうけど。

親の育て方の影響で、よろしくない思考・行動習慣を身に付けたから現状がある、ということであれば、よりよい思考・行動習慣を身につけ直せばよいことになる。このケースでは、本人がその気になりさえすれば、問題は解決する。

育て方というより、経験不足だからこうなんだろうなというケースも多い。毎日ゲーム機しか見ていない若者がいきなり人間だらけの会社でコミュニケーションをとれと言われてもうまくいかない。このケースでは時間が問題を解決する。

ところが、脳機能の特性となると、親がどう育てようと、どれだけ経験を積もうと、その分野の問題がヤル気や時間で解消したりはしない。特別なやり方をする必要がある。それでも、問題をゼロにすることは難しい。

この領域になると、個人差も大切な要素になる。どの分野がどの程度苦手で、生活にどのような支障がでているかを細かく的確に見極めて、手だてを講じる必要がある。つまり、とっても手間がかかるのだ。

「そこのポット、昨日のお湯が残ったままだから洗っておいて。」と言われたナナは、電気ポットを台所洗剤で丸洗いした。びしょぬれのポットに水をたたえて、コンセントを差す。ショートしなくてよかった。飛び出して叱る私を不満げに見返すナナ…





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