桜子さん
あなたときたらクソババアだなんて、なんて口の悪い。あなたに国語を教えた教師の顔が見たいくらいです。後で洗面所に行って鏡をよ〜く見てきます。

先日、デパートで和食器を眺めていたら、「食洗機対応」と書いた、本物そっくりのお椀や箸をたくさんみかけました。私が若いころにはなかったものです。きっと食洗機はあなたの嫁入り道具ね。陶子さんが知らなくて当然です。

それを、笑い物にしてはバチが当たります。陶子さんにはたくさん叱られるでしょうが、それだけ長く暮らしてきた知恵を持っているということでもありますよ。知恵は受け継ぐとあなたが豊かになります。泥棒にも盗めない財産です。

まったく、陶子さんもあなたも、なんて元気な女性でしょう。達也君は母と嫁の間に挟まって、さぞかし苦労していることでしょうね。サッカー部のキャプテンだった達也君もマネージャーのあなたには逆らえなかったものね。

三者面談で、達也君が陶子さんの息子だとは分かっていましたが、まさか同級生のあなたと結婚して、あなたまで陶子さんの娘になるとはね。数奇なご縁に私は驚くやら愉快やら。あなたがたは絶対に気の合う家族になれますよ。

陶子さんは手紙を書きながら笑っていましたか。孫の代まで呪ってやると言われてふたりで爆笑しましたか。それでいいではありませんか。あなたは何もかも分かっているのですよね。それでいい。またエピソードを聞かせてください。

それにしても気の毒なのは達也君です。元気にしていますか?あなた方がいがみ合っていると、外にしとやかな女性を探しに行ってしまいますよ。きっとムンクの「叫び」みたいになっている達也君に、遊びに来るよう伝えてください。





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書いていてすっかり楽しくなっちゃいました。
前回と連作なのでした
連作も楽しいですね。またやってみよう。