陶子さん
お怒りですね。いいと思いますよ。どうぞ怒ってください。そうして、それをこんなふうに話してくれるあなたを、私はとっても素敵だと思います。
あなたが築き上げてきた家庭に、新しい家族を加えたのですから、それはそれは大変なことでしょう。箸の洗い方からまな板の扱いまで、主婦はそれぞれの掟を持っているもの。それをないがしろにされると腹が立ちますね。
けれど、考えてもみてください。陶子さんの掟は陶子さんだけのものです。教えもせず、説明もせずに最初から理解してもらえるものでもないのではありませんか?あなたにとって常識でも、他の家庭では常識ではないかもしれませんよ。
怒りは、自分が大切にしていることを踏みにじられた時に感じる感情です。陶子さんは今、とても怒っている。それはいったい、誰にどんな大切なことを踏みにじられたからでしょう?どうかそれを、よくよく考えてみてください。
桜子さんは、あなたによく似た性格の人だと思います。素直で、無邪気で、裏表がない。そして、お互いそそっかしい。ぶつかることもあるでしょうけれど、一番分かりあえる仲だとも思うのです。
だって、不思議ではありませんか?陶子さんは私が初めて担任した生徒で、桜子さんは最後の生徒です。それが縁あって今は親子になっている。そして、思ったことを洗いざらいぶちまけ合っている。まるで奇跡です。
どうか桜子さんを育ててください。今まで通り、言いたいことを言い合って、喧嘩しながら仲良く暮らしてください。桜子さんはきっと、陶子さんのよき理解者になるはずです。私の教え子同士、どうか仲良くしてください。お願いします。

心理戦は消耗します。言いたいことは言葉にして伝えた方がスッキリします。
でも、言い方は選びたいものです。
コメント
コメント一覧 (7)
しかも、恩師でつながっている。
すごい設定を思いつかれましたね(笑)
世の中は、広いようで狭いものです。
大学を卒業するとき、大学新聞に載ったことがあります。
出身高校なども書かれているんですよ。
2カ月後、見知らぬ女性から手紙をもらいました。
彼女の息子も同じ大学で、彼女は私と同じ高校を卒業したそうです。
新聞を読んで親近感を持ってくれたのはいいけれど、大学側がウチの住所を教えたのはいかがなものか…。
個人情報に神経質な今だったら、実現しませんでしたね。
すばらしい気がします
私のために仲良くして欲しい、という昇華に持ち込むための
布石だったのですね?
とりあえず恩師の顔を立てておこう、とでも
思ってくだされば思う壺です
何かにつけ、幕引きはその事実を引き合いに出せ、
陶子さんと桜子さんも幸福です
喧嘩しながら距離を縮めていくことは
合理的かつ人間性を尊重した手法ではないでしょうか
現実にそんな偶然があったら、
それも、又、すごいことですね・・
先生はわくわくしてしまうかもしれない・・
というより、心配かな(笑)
ミュンヘンでビールを飲んでいたら、ドイツ人の陽気な集団に日本人か?と聞かれたので、住処を答えると、おお、行ったことがある!一瞬で友達扱いされました。
大学や高校が同じ!って、すごい親近感。
けど、大学さんが砂希さんの住所を答えちゃったなんて、
ほんと、今ではありえませんね。
「個人情報漏えい問題」になっちゃいます。
世知辛いなぁ。
思う壺!
おお、私の大好きなフレーズでございます。
お誉めいただいて嬉しいです。ありがとうございます。
喧嘩しながら距離が縮まるってよくあること。
でも、喧嘩中に「喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ?」といわれると、なぜああまで腹が立つのかしら?
ヘェを5つもいただきました!
ありがとうございます。えへへ。
こんなことが本当に実現したら、先生は、
最初は興味津々、
次第に喧々諤々、
そのうち深謀遠慮、
時々応急手当、
たまらず内政干渉、
だんだん馬耳東風、
最後は円満解決。
なんて。どうでしょう。
(;´Д`)スバラスィ ..です!