「ハヤトにも、矛盾した二つの気持ちを感じていたんだと思います。もっと親密になりたい、もっと恋人らしくしてみたいという気持ちと、そんなことを言い出してはいけない、ふたりの関係を壊したくないという矛盾した気持ちにいつもさいなまれて、楽しいけど疲れるというのを、繰り返していた気がします。」
「では、男性一般に話を広げてみてはどうかしら?」
「え?」
「あなたの周りには、ハヤトさんしかいないわけではないでしょう?あなたは男性とどのような関係を築いていきたいのかしら?そこで感じることは?」
「え〜っと・・・。一般っていっても・・・」
「ではね、こう考えてみて。あなたの前にね、ハヤトさん以上に素敵な独身男性が現れたとするわね。独身同士なんだから、どのようなおつきあいをするか、しないか、あなたがたが決めていいことになるでしょう?あなたはどんなおつきあいを望むのかしら?それとも、ハヤトさん以外とのおつきあいはお断り?」
「わぁ!すごい質問ですねぇ。どうしましょう・・・。」
あきさんは想像してみました。簡単な気がしました。「独身のハヤト2号」を想像すればいいだけです!ハヤト以上に素敵な人と言われても、ピンとこないから。
あきさんは、ハヤト2号の前で『あなたが好きです』と言っている自分を想像しました。次に、公園のベンチでハヤト2号と寄り添う自分も想像してみました。
それは、楽しい想像のはずでした。なのに、あきさんの想像は、思っていたほど楽しくなりませんでした。
想像の中で、あきさんの告白を聞いたハヤト2号には、「いいじゃないか、このまま気軽な友達でいようよ。」と言われてしまいました。公園のベンチでベタベタじゃれているところを仕事関係の人に見られて、職場で妙なウワサになり、仕事がしずらくなった自分が浮かんできました。面倒を起こしやがって…という上司の粘っこい視線までリアルに浮かんできました。ああ、いやだ〜。
「どう?」
未来さんに促されて、あきさんは今の想像を詳しく話しました。
「私って根が暗いから、いい場面を想像できないのね。」
「そうかもしれないけれど、今の想像にこそ、とても大事なメッセージが隠されているとしたら、どうかしら?そのメッセージは何だと思う?」
「メッセージ?」
「ええ、そう。あなたの内なる何かがとっくに気付いている、でもあなたの意識にはまだ認知されていないメッセージよ。」
「私の内にあるのに、私がまだ認知していないメッセージ・・・。」
「考えるのではなく、心を静かにしてみて。そうして、浮かんでくるものを捕まえて。」
あきさんは、言われるままに口を閉じ、目を閉じて深呼吸をし、心を落ち着けてみました。改めて周囲の香りや音、温度に意識をむけてみました。
「あの〜。」
「なに?何が浮かんできた?」
「関係ないと思うんですけど・・・」
「いいのよ。浮かんできたものを話してくださる?」
「それが・・・オリなんです。」
今日も読んでくださってありがとうございました。
あなたに、あらゆるよきことがなだれのごとく起きますように。






