最高においしいケーキと紅茶で気持ちがさらにほぐれて、ふと、あきさんは、さっき見た夢の話をしてみたくなりました。

 


 実は、あれがさっきだったのかどうかもよくわからないのですが、あの、お葬式と、病院の夢の話を未来さんが聞いたら、どういう意味だったのか夢解きをしてくれるのではないかと思いました。

 


 「未来さん。わたし、さっき夢を見たんです。」

 


 「あら、どんな夢かしら。話してくれる?」

 


 「はい。最初の夢は、わたしのお葬式の夢でした。わたしが自殺しちゃったようで、そのお葬式をしているんです。懐かしい人たちがたくさん来てくれていて、わたし、こんなふうに大事にされていたってわかっただけで、死んでも別によかったなって思ったんです。」

 


 「まぁ、死んでもよかったって思ったの?」

 


 「ええ。なんだか満足な気分でした。」

 


 「満足。」

 


 「そうなんです。不思議なくらいに。だけど、その人たちが話していることをきいているうちに、ものすごくがっかりしちゃった。」

 


 「あなたをがっかりさせた話って?」

 


 「わたしが自殺した理由がわからないって言うんです。」

 


 「あなたが自殺した理由を、あなた自身はわかっていたの?」

 


 「はい。悩み事があったんです。そのことを伝えた人もいたのに、その人まで、死ぬほどの悩みだとは思わなかったって。」

 


 「それで、あなたはがっかりしたの?」

 


 「はい。がっかりというか、頭が真っ白になってしまいました。」

 


 「そうなの。」

 


 「それから、もうひとつの夢を見たんです。」

 


 「そちらはどんな夢?」

 


 「わたしは病院に寝ていました。体がヘンな感じで、植物人間になっていたらしいんですね。それで、わたしはお葬式のほうが夢で、この病院が本当なんだと思いました。」

 


 「それで?」

 


 「わたしはいろいろ感じるし、見えるのに、周りの人にはそのことがわからないようでした。」

 


 「何か起きた?」

 


 「ええ。両親が来て、わたしをがっかりさせました。それからハヤトが・・・」

 


 「ハヤトさん?」

 


 「はい。わたしのとても・・・とても大切な友人です。」

 


 「友人ね。そのハヤトさんがどうしたの?」

 


 「ハヤトが来てくれて、嬉しかったのだけど、わたしがハヤトに死にたくなるほどの悩みを相談しなかったことを、信頼していないからだって言って、サヨナラって・・・。」

 


 あきさんは、話しながら涙をこらえることができませんでした。

 


 夢の話だとわかっているのに、それは現実に起きたことのように胸が痛み、鋭いナイフが突き刺さったままのような感覚が全身をとらえました。

 

 今日も読んでくださってありがとうございました。
 あなたに、あらゆるよきことがなだれのごとく起きますように。